医療機器の支援施策と支援機関
1. 支援施策(補助金等)の一覧
1) 医療機器産業ビジョン2024 (経済産業省)
経済産業省は、医療機器産業の劇的な変化の中で国内企業が目指すべき方向性及び経済産業省として求められる産業支援を議論すべく、産学官で構成する「医療機器産業ビジョン研究会」を立ち上げ、医療機器産業が目指すべき方向性及び必要な支援策と実施に向けた戦略的取組について議論を重ね、その結果を「医療機器産業ビジョン2024」として取りまとめました。
○目指すべき方向性と必要な支援策
本検討会では、医療機器産業が高付加価値産業として成長していくための方向性として、イノベーション創出のための研究開発投資とグローバル展開による投資回収の2つが循環することによる産業成長を掲げ、実現に向けた戦略的取組として以下の4つの取組を整理しました。
【米国をはじめとしたグローバル展開へ踏み出す企業の創出】
1) 米国展開のためのエビデンス構築による競争力強化及びネットワーク構築の支援
2) グローバル展開を容易にする環境整備・ネットワーク構築支援
【イノベーションを生み出す研究開発環境の構築】
3) AI等のデジタル技術を用いた医療機器の開発促進
4) 大手企業によるスタートアップの連携強化及びアクセラレーション
3) 次世代ヘルステック・スタートアップ育成支援事業 (AMED)
ヘルステック領域において起業を目指すアカデミアや民間企業に所属する研究者・研究職に対して、研究開発資金の支援を行うとともに、個別の研究開発課題に対して伴走支援コンソーシアムによる支援を行い、革新的なヘルステック開発を行うスタートアップ企業を創出することを目指します。
4) 医工連携イノベーション推進事業 (AMED)
◆開発・事業化事業(補助事業)
医療機器等の事業化に向けた提案を公募し、採択事業を決定し、採択された共同体では事業化に向けて試作機開発、量産試作、非臨床試験、臨床評価など機器の開発を推進し、併せて許認可、知的財産、販売・物流戦略、体制の構築など事業化のための準備を進めます。
その際に許認可、事業化、知的財産、技術面などの伴走コンサルティングを主とした支援を実施し、事業化に向けた支援を実施します。

◆開発・事業化事業(ベンチャー育成)(委託事業)
ベンチャー企業の参入促進を図るため、ベンチャーキャピタルによる対応が困難なアーリーステージの取り組み(コンセプトの実証等)を支援します。
◆医療機器開発支援ネットワーク事業(委託事業)
今後の医療機器政策に資することを念頭に、医工連携を通じた医療機器の開発・事業化が自律的に進展するように、許認可、知的財産、技術面、マーケティングなど多岐にわたる支援を新規参入を含む医療機器開発事業者が一体的に受けられる国と地域の連携ネットワークを進めます。

◆地域連携拠点自立化推進事業(委託事業)
医療機器開発における専門的知識を有する事業化人材等を配置し、地域におけるシーズとニーズのマッチングの推進や事業化の促進を図ることにより、地域における医療機器開発エコシステムの形成の推進を実施します。
5) 医療機器開発推進研究事業 (AMED)
本研究事業は、国民により安全な医療技術を早期に提供することを目的として、日本で生み出された基礎研究の成果を、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法)」にもとづく医療機器の承認に繋げるため、実用化への見込みが高く、科学性及び倫理性が十分に担保され得る質の高い臨床研究・医師主導治験等を推進します。
以下のテーマについて、革新的医療機器の創出に向けた臨床研究・医師主導治験等を支援します。
- 医療負担の軽減に資する医療機器の臨床研究・医師主導治験
- 革新的医療機器の実用化を目指す非臨床研究(臨床試験に代わる適切な検証的試験)・臨床研究・医師主導治験
- 小児用医療機器の実用化を目指す臨床研究・医師主導治験
- 高齢者向け医療機器の実用化を目指す臨床研究・医師主導治験
- 疾患登録システム(レジストリ)を活用した医療機器の開発
6) 医工連携グローバル展開事業(グローバル進出拠点事業) (AMED)
「健康・医療戦略」(令和2年3月27日閣議決定、令和3年4月9日一部変更)の基本理念である「世界最高水準の技術を用いた医療の提供への寄与」及び「経済成長への寄与」の実現を目的とします。
高度な「ものづくり技術」を持つ中小企業や先端的なシーズ等を持つスタートアップが行う革新的な医療機器開発を支援し、我が国のみならず世界中の医療現場で活用される医療機器の開発を目指します。また、医療機器開発に必要な薬事規制等の知識における伴走支援のみならず、国際展開に向けて必要な支援を行うことで、国内の医療機器産業の活性化にもつなげていくことを目的とします。
本事業においては、医療機器開発エコシステムの核となる地域連携拠点に医療機器開発における専門的知識を有する事業化人材等を配置し、地域に点在するシーズとニーズのマッチングの推進やグローバルスタンダードな治療に活用されることを見据えた医療機器開発の事業化の促進を図ることを目的として、中小企業及びスタートアップに対する開発支援を行います。
2. 地域の支援機関(医療機器関連)の一覧

